削りぶし豆知識
日本人と魚食文化
<日本人と魚食文化>
日本は、海に囲まれた島国です。そして寒流と暖流が入り交じり、しかも海岸線が複雑な地理的条件により、磯魚から回遊魚まで他種類で豊富な魚類が生息しています。
そのため、魚介類は日本人にとっての貴重な栄養源として古代から食されてきました。
縄文時代の貝塚から、ニシン、マグロ、カツオ、アジ、ブリ、サワラ、サバ、イワシなどの骨が出土していることからも、古くから魚のとり方やこれらの魚を保存し内陸に運ぶための加工技術があり、乾物の原点もそのような時代からあったことがわかります。
<日本人と乾物>
縄文時代の乾物は「食べるための保存食」。貴重なタンパク源を摂取し続けるための知恵として生まれたものでした。
現在、乾物(特に水産乾物)というと「だし」というイメージをもたれる方も多いと思いますが、調理法としての「だし」は室町時代の文献で現れるのが最初で、さらにそれは、一般的に用いられている調理法ではありませんでした。
このことから、日本の乾物は「食べること」を源流として、これまで受け継がれてきた日本古来からの加工技術であるということがわかります。
- 2020.04.30
- 09:58
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