削りぶし豆知識
削り節とは?鰹節と削り節の違い
削り節(けずりぶし)とは、かつお節やイワシ、サバ、マグロなどの干した魚を薄く削ったものです。
かつお節は、カツオを加熱してから燻製にして乾燥させたものであり、削り節の原料です。「かつお節」を削ることにより「かつお削り節」になります。
たまに「いわしの鰹節」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、これは間違いですのでご注意ください。
<原料> <削った後>
かつお節 → かつお削り節
まぐろ節 → まぐろ削り節
いわし節 → いわし削り節
いわし煮干し → いわし削り節
さば節 → さば削り節
さんま節 → さんま削り節
- 2020.04.30
- 09:56
日本人と魚食文化
<日本人と魚食文化>
日本は、海に囲まれた島国です。そして寒流と暖流が入り交じり、しかも海岸線が複雑な地理的条件により、磯魚から回遊魚まで他種類で豊富な魚類が生息しています。
そのため、魚介類は日本人にとっての貴重な栄養源として古代から食されてきました。
縄文時代の貝塚から、ニシン、マグロ、カツオ、アジ、ブリ、サワラ、サバ、イワシなどの骨が出土していることからも、古くから魚のとり方やこれらの魚を保存し内陸に運ぶための加工技術があり、乾物の原点もそのような時代からあったことがわかります。
<日本人と乾物>
縄文時代の乾物は「食べるための保存食」。貴重なタンパク源を摂取し続けるための知恵として生まれたものでした。
現在、乾物(特に水産乾物)というと「だし」というイメージをもたれる方も多いと思いますが、調理法としての「だし」は室町時代の文献で現れるのが最初で、さらにそれは、一般的に用いられている調理法ではありませんでした。
このことから、日本の乾物は「食べること」を源流として、これまで受け継がれてきた日本古来からの加工技術であるということがわかります。
- 2020.04.30
- 09:58
そのまま食べて美味しい削り節
<カネジョウのつくるもの>
カネジョウは「桜えびと削り節の専門店」です。
そして、「そのまま食べて美味しい」を大事にしています。
それは、古代から続く「食べるための乾物」という日本古来からの食文化・食品加工技術がこれからの日本食文化をつないでいくためにも、とても大切であると思っているからです。
「そのまま食べて美味しい削り節」
良い削り節を作るためには良い原料を見極める「目利き」と高度な「削る技術」が必要です。
しかし、「食べる削り節」に求められるものはダシに使うためだけに作られた削り節とは異なります。
香り 食感 舌触り だし感 後味
そのまま食べるものなので、ダシ用よりもさらに繊細に求められるものが多くなります。
例えば「いわし削り節」
いわし削り節を例にします。
脂が多く生臭い煮干しを単純に削り節にした場合、ダシにするとしっかりとしたダシがとれます。
しかしそれは、食べてみると生臭かったり噛みきれないほど厚くて食感が悪いものとなります。
このように、「そのまま食べて美味しい」は同じ削り節でも求められる技術や目利きの質がちがうのです。
そのため当店は「だしの専門店」ではなく、「削り節の専門店」としてその目利きと技術を日頃から磨いています。
だからと言って、「そのまま食べて美味しい」削り節でとるダシも美味しいです。
- 2020.04.30
- 10:19